こちらの結婚指輪は明石市からお越しのご夫婦の手作り指輪です。ちょうどご制作の日の午前中にご入籍されて、その足でご来店下さいました。
その日は大安と一粒万倍日と天赦日が重なる1年でも数少ない縁起の良い日でした。しかも朝から快晴で最高の入籍日和になったと満足そうなお二人でした。そんなお二人は付き合った記念にペアリングを手作りしようと計画していたのにコロナでその話は白紙になりデートも思う様には出来ず、やっとの思いで会えてもマスクでお互いの表情も見えないと我慢の数年間を過ごして来られたそうです。「気分は遠距離恋愛でした。」と笑っておられましたが、会いたい時に会えないのはお辛かったと思います。待ちに待たれたご入籍、おめでとうございます!
コロナで作れなかったペアリングの分も頑張りたいと選ばれたデザインはねじりデザインでした。ストレートの指輪ですが、ねじった風に見せる模様を彫ることで少し制作の難易度の高いデザインです。お互いのワックスを交換して制作されました。まずは指輪の幅を削りながら好みのところで止めて頂きます。お相手の指輪を削っているので「このくらい?」「ちょっと着けてみて。」と見せ合いながら慎重に幅を決めておられました。厚みも整えてからねじり部分を削っていきます。奥様は右利き、旦那様は左利きでしたのでねじる方向についてご相談しました。右利きの方は右上がりが削りやすく、左利きの方は左上がりが削りやすいので全く同じ感じにするならどちらかに合わせた方がいいですとお伝えしたら、それぞれやり易い方でするということでした。
この写真の指輪はサウスポーの旦那様が手作りした奥様の指輪です。宝石は表側には留めず、ねじりの部分だけ色を変えたいとのご希望で旦那様が選ばれてプラチナにイエローゴールドのコーティング加工をされました。サウスポーの方は器用な方が多く今回もやはり器用な旦那様でした。くっきりと仕上がったねじりの部分がコーティングでさらにはっきりして華やかになりました。「クルッと回せば半周はシンプルなデザインになるから2wayやな。」「お得!」と喜んでおられました。旦那様もコーティングするかすごく迷っておられましたが、オプションは指輪が出来上がってからでも出来るので、何もしない状態を見てから考える事にされた様です。「私だけごめんねー!」と奥様。奥様は前々から2色使いの指輪に憧れがあったそうで、念願叶って嬉しいととても喜ばれていました。結婚指輪は毎日身に着ける物ですし気に入って頂けるのが一番だと思っています。デザインや素材の色、宝石の有る無しなどこだわりを持つのは大切だと思います。
お二人の指輪が完成してそれぞれお相手の小指にワックスが割れない様にそっと着けてみられました。お二人ともコロナの辛い日々から今日のご入籍までの日々を思い出して「ようやくです!幸せになろうね!」と感慨深く目を合わせ頷いておられたのが印象的でした。
何が起こるかわからない不安な毎日も大切なパートナー様と笑い飛ばして仲良く楽しくお過ごし下さいませ。いつまでもいつまでもお二人の左手に手作りの結婚指輪が輝き続けます様に…ご入籍の善き日に当工房に結婚指輪のご制作に来て下さいまして、誠にありがとうございました。