こちらは姫路市からお越しのカップルが手作りされたペアリングの男性の指輪です。以前にもお二人で手作りされたペアリングをつけてご来店されました。
以前は他店の鍛造製法でペアリングを作り、今回はワックス鋳造製法で新たなペアリングを作りに来て下さったそうです。実は彼女さんが最近になって金属アレルギーが出てしまって指輪をはずした跡がただれて痒みが出てしまうのだとか。体調にも左右されているみたいで以前の様にずっとつけっぱなしが出来なくなってしまったと残念そうに話されていました。「今回の指輪はアレルギーが出ない様にしたくて私はチタン、彼はプラチナで作ろうかなって思ってます。」確かにチタンはアレルギーが出ないと思いますが、刻印や宝石を留めたりが出来ないのでプラチナの中でもアレルギーが出にくいと言われるPt950をお二人にお勧めしました。「そんなのがあるんだ!だったら実は私もプラチナの指輪に憧れてたんで、それにします。」と素材はPt950に決まりました。デザインはシンプルな平打ちで彼氏さんは太めの幅、彼女さんの幅は削りながら考えたいということでエプロンを着けて作業が始まりました。
ワックスが思っていたより柔らかかった様で「削り易い!どんどん削れていくー!」とお二人とも大興奮。ワックスから出る削り粉を指で触って気持ちいいと楽しんでおられました。彼女さんは少しだけ太めにしたいと指に合わせながら微調整して削っておられました。お二人のちょうどいい感じの幅になり、厚みも削って順調に完成に近づいていた時に、お二人の中でアレンジ欲が芽生えた様でした。「模様つけたいな。でもごちゃごちゃしたのは嫌やし、どう思う?」と会議が始まりました。休憩も兼ねて模様を考えました。点線や水玉模様、シンプルなライン、イニシャル等沢山考えた中からウェーブラインに決定しました。彼氏さんの案で「山あり谷ありを共に超えて行こう!」と言う意味だそうです。フリーハンドで描いて変になったら嫌だと、キッチリ測って均等に印をつけて美しいウェーブラインを描きました。それに沿って先の細いヤスリで彫って模様にしていきます。ペンで描いた通りに彫っていくので力加減が難しく時間は掛かりましたが、お二人とも集中力を切らさず最後まで頑張って仕上げられました。達成感を味わって頂けた様でした。
シンプルな平打ちにお二人でアレンジ模様を入れた事により、他にはないオリジナルペアリングの完成です。鋳造製法は出来上がりが気に入らなければお帰りになるまで何度でもワックスを削ってやり直しが出来ますので比較的リラックスして作って頂けます。ずっと気に入って愛用して頂けた方が指輪も喜ぶと思うので。
ワックスが割れない様にお二人の小指にはめて記念撮影をしました。「すごくいい感じで出来たんで届くのがめちゃくちゃ楽しみです!」「早く完成品をはめたいなぁ。」と良い表情でお話しされていました。
弊社には金属アレルギーのサポートもございます。万が一アレルギーが出てしまったら返金、もしくは別の金属で作り直すことが出来ますのでアレルギーの方も安心です。
アクセサリーが大好きと言うお二人らしいカッコいいペアリングが出来ましたね!これからもお二人仲良く山も谷も手を繋いで歩いて行って下さいね!沢山のお店の中から当工房を選んで下さって誠にありがとうございました。