Sラインのエンゲージリング

手作りエンゲージ プラチナ ダイヤモンド

S字のラインがエレガントなこちらのエンゲージリングを手作りされたのは姫路市の男性です。彼女さんとお二人でご来店して下さいました。

お二人ともカラフルなファッションで工房の中にパッと花が咲いた様でした。普段はモノトーンの服が多いらしいのですが今日のご来店のために二人で相談してペアルック風にして来て下さったそうです。「制作中のお写真や動画も撮るのでバッチリですよ!」とお伝えしたら喜んでおられました。

この日は彼女さんへのエンゲージリングのご制作です。サイズがわからなかったので一緒に来たという彼女さん。サイズを測るために手を出して頂いたら緊張のため指先が冷たくて「初めてのことなのでなんか緊張しちゃて。」と笑っておられました。サイズも測ってデザインも決まってエプロンを着けて頂こうと一着ずつお渡ししたら、「私は絶対無理なのでエプロンはしないでいいですか?」と言われ彼女さんは横からの観戦となりました。

彼氏さん曰く彼女さんは手先を使う作業が苦手らしく、今日のご来店も昨晩からかなり緊張しておられたそうです。「僕が作るんだから緊張する必要ないよって言ってるのに。」と彼氏さんが言っても苦笑いの彼女さん。よっぽどの苦手意識がお有りだと思ったので「彼氏さんの頑張るところを横からしっかり見て応援してあげて下さいね。きっと良い思い出になりますよ!」とお声を掛けさせて頂きました。

ご制作するのはダイヤモンドの両端からS字ラインに指輪の腕の部分が緩やかに伸びていくエンゲージです。まずはS字のラインを彼女さんのサイズのワックスに描いて頂きました。一回で良い感じに描けたので満足そうな表情の彼氏さんでした。彼女さんは「さすが!」と小さく拍手をしておられました。ヤスリを持って削り出しても彼氏さんの手元はぶれることなく安心して見ていられるくらいに器用でお上手でした。かなり指輪らしく出来上がってきた頃に彼氏さんが「この両側をプロペラみたいにして良いですか?」と質問されたのですが私の頭の中にすぐにプロペラのイメージが出来ず「プロペラ…ですか?」と言うと「ドラえもんのタケコプターみたいに互い違いに斜めの感じなんですが、わかります?」はい、理解しました!削り過ぎない様に気を付けながら傾斜を削っていくことになりました。

ずっと横で見ていた彼女さんが「彼は航空機マニアなんです。とにかく空を飛ぶ乗り物が大好きでよく細かい模型を作ってるんです。」なるほど!それでプロペラ。模型作りで鍛えられてすごく器用なんですね。あっという間にS字ラインがエレガントな雰囲気のフォルムになって原型の完成です。

ご自分の好みにデザインして削っていくので唯一無二の完全オリジナルが出来るのがいいと、完成したワックスの指輪を眺めながらとても満足そうにされていたお二人のお姿が印象に残っています。彼女さんが嬉しそうに何度も小指に着けておられたのにも癒されました。

お帰りの時になって今日1番の良い表情になって来られた彼女さんに「もし良かったら結婚指輪も作りに来て下さい。お手伝いはいっぱいさせて頂きますよ!」と言ったら「見ていたらちょっと面白そうって思えたけど考えます。本当に苦手で。でも見てるのはとっても楽しかったです!」と仰ってました。次回も見るだけでも構いませんよ!心よりお二人のご来店をお待ちしております。少しでも手作りの楽しさを感じて頂けていたなら嬉しい限りです。

当工房でのエンゲージリングのご制作、誠にありがとうございました。

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