ふたり手を繋いで

手作りエンゲージ プラチナ 宝石

こちらの指輪は加西市からお越しの男性が手作りされた婚約指輪です。デザインは男性がされてヤスリで削りながら更に完成度を上げていきました。彼女さんへの想いが込められた世界にひとつの婚約指輪です。

当工房のオープンとほぼ同時にご来店された男性は「おはようございます。」と元気に挨拶をして下さった爽やかな方でした。「一人で来る人っていますか?」と少し不安そうな表情で聞いておられましたが、当工房は結婚指輪のご制作だけではなく婚約指輪やプロポーズリング、アニバーサリーリングやご自分のリングなど人数も目的も様々なお客様にお越し頂いていますのでご安心下さい。「婚約指輪のご制作ですね?」とお聞きすると少し照れくさそうに「はい。デザインを考えてみたんですが自分で作れますか?」と。自由に制作できるのが手作りの良いところですから、なるべく頑張ってご自身の手で作っていくことになりました。

男性が考えたデザインの重なって見える部分には意味があって、宝石より実はこちらの方がメインなんです。お二人は別々に社交ダンスをされていて、お付き合いが始まってからダンスのパートナーでもあるそうです。ダンスを誘う時、ダンスフロアに入って行く時は必ずパートナーの手を取ってエスコートするのだそうです。指輪の上下が重なって見える部分はパートナーの手を取ったところを表しているのです。確かに言われてみれば男性が女性の手を取ってエスコートしている姿がイメージ出来ます。お二人の関係ならではのデザインという訳です。

手の部分の高低差を出すために少しウェーブする部分を削るので最初にマジックペンで指輪全体の形をワックスに自由に描いて頂きました。きっちり測った感じは好きじゃないと言われていたのでフリーハンドで描いて頂き、その線に沿ってヤスリで削られました。ヤスリの使い方や削り方のコツなどは最初にご説明しましたが最初から最後までご自分の手で仕上げられました。手が重なっている部分などはしっかりと溝を彫り紙ヤスリとスポンジのヤスリを使って何度も丸みを出すために頑張られていました。途中、飲み物を飲んで休憩されていた時に「器用なんですね!」とお声を掛けたら「いや、たまたま今日はなんだか調子が良いだけですよ。」とご謙遜されていましたが、指輪のデザインを考えれるあたり元々器用な方なんでしょうね。

ご希望通りのフォルムに仕上がって嬉しそうな男性は指輪の内側に「ふたり手を繋いで」と手描きの刻印を入れられました。ふたり手を繋いで踊り、暮らし、共に歩んで行きましょうの意味が込められています。彼女さんは驚かれるでしょうね!指輪が手作りなことにも、形や刻印の意味にも。私自身も手作りって素晴らしいなと改めて思える良い時間を頂きました。

婚約指輪なので彼女さんの好きなピンク色の宝石トルマリンとダイヤモンドを留められました。これなら普段でも気にすることなくずっと身に着けられますね。各所に彼女さんへの優しさが溢れた素敵な婚約指輪になりました。

これからご結婚されてもお二人でダンスを続けて下さいね!お二人で手を取り合って幸せなご家庭を築いて下さいませ。手作りを気に入って頂けたなら結婚指輪も是非当工房でお作り下さい。心よりお待ちしております。この度は婚約指輪のご制作、誠にありがとうございました。

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