こちらの指輪は神戸市の男性が奥様の結婚指輪を手作りされたものです。実は3年前にご夫妻で当工房でご制作下さった奥様の結婚指輪が1ヶ月ほど前に紛失してしまったそうで、優しい旦那様がおひとりで予約を取ってご来店下さいました。
「奥様に内緒なんですか?」「そうなんです。笑っちゃうほどに落ち込んでいまして、それならサプライズでもう一回作ってあげようかなって。」なんとお優しいことでしょう!最高のサプライズになりますね。
前回作られたウェーブデザインの結婚指輪は旦那様がこの日も身に着けておられたので、当工房にも仕様書の保管はありましたが実際に旦那様の指輪を見ながらの制作になりました。奥様のサイズは変わってないそうです。お二人でドライブに出かけた時、高速のインターで手を洗うために外して鏡の前に置き忘れてしまったそうです。気付いて問い合わせたが届いていないとのお返事だったそうです。その日から奥様はかなり落ち込んでおられるそうなんです。「妻は普段きっちりしている人なんで物を失くすことが無いのでショックなんだと思います。それに手作りの指輪で愛着があったのでね。」旦那様はそう仰っておられました。
制作はさすが経験者という感じでした。手順はお忘れでしたがヤスリは慣れたものでした。ご本人様も感覚が甦ってくるのが嬉しそうでした。「やっぱり削るの楽しいわー。こっそり来たのは1人で楽しむためでもあったかも!」と笑っておられたのが印象的でした。ご自分の指輪と見比べながら絶対今回の方が上手く出来ていると自画自賛して、また大笑いされていました。手に取って見せて頂くと確かに今回の奥様の指輪の方がレベルアップしている様な感じがしました。
全体の形が整ったので最終仕上げの磨く工程になりました。前回もこの磨く工程が1番楽しかったから今回も頑張ろうと気合を入れておられました。力加減がお上手なので金属に負けないくらいピカピカのツルツルに磨いておられました。一通りの工程が終わった後で旦那様が「ここに宝石っていけます?」と言われたので拝見すると充分に宝石を留めて頂けそうだったので宝石の種類と数、留め方などを考えて頂きました。「前回の指輪はシンプルなものだったので、折角ですから宝石入れて驚かせたいなって思って。ラッキーセブンで7石、ピンクが好きなんでこれにします。」とトルマリンを選ばれました。両端はダイヤモンドにされたら如何でしょう?プラチナの指輪なので両端から色が溶け込む様に見えたら素敵かもと思いまして!とご提案させて頂くと「さすがですね!俺は思いつかへんわ、いいですね!」と採用して下さいました。奥様が気に入って下さったら嬉しいです!
宝石が追加されて豪華になりましたし、2作目で指輪のフォルムも素晴らしい出来になった奥様の結婚指輪。お作りになった旦那様はとても晴れやかなお顔をされていました。この指輪をサプライズでお渡しになった時の奥様はどんな表情をされるのでしょうね!大切な指輪を失くされて落ち込んでいた気持ちが吹っ飛んで旦那様とご夫婦になれたことを改めて嬉しく思われるといいですね。私もその瞬間に立ち合いたいと思いました…お二人は嫌でしょうけど(笑)。
今回のご制作の様にサプライズプレゼントで指輪を手作りしにお一人でご来店される方は結構おられます。プレゼントを渡すお相手のかたの喜ぶ顔、驚く顔を想像しながら心を込めて手作りする時間はご自分にとっても素晴らしい時間となります。スタッフもついておりますので安心して挑戦しに来て下さい。
指輪には生涯保証で変形修復とクリーニング代がずっと無料になるサービスがついておりますので、ご夫妻でまた当工房にお立ち寄り下さいませ。お待ちしております!
当工房でのご制作、誠にありがとうございました。いつまでも仲睦まじいお二人でいらして下さいね!