こちらの結婚指輪を手作りされたのは神戸市からお越し下さったお二人です。独創的で未来を感じさせる流線形のフォルムに出来上がりました。
1ヶ月後にご入籍されるご予定のお二人は髪の色も腕時計もスニーカーもお揃いで、とても仲良しでお幸せそうでした。彼女さんが結婚指輪は絶対に手作りしたいと前々から言われていたそうで、今日はお二人で手作りに挑戦です。作りたいデザインをお聞きしましたがまだ思案中との事でしたので、サンプルリングを手に取って頂いたり写真を見て頂いたりしてデザインを絞り込んでいきました。
気になったデザインは2種類ありましたがお二人ともが気に入っておられたのは波型のねじりデザインでした。サンプルリングもつけてみて1番指にフィットしたご様子でした。宝石などは留めずにシンプルな形とプラチナの色味を楽しみたいと言われていました。お二人はお互いのワックスを交換してお相手のリングをご制作です。「失敗したらごめん。」「信じてるよー。」と少し緊張しながらのスタートです。
まずは波型にしていく為にマジックペンで形を描いていきます。お二人はあえて均等な波型にせず少し崩してほぼフリーハンドで描かれていました。お二人とも手作りに慣れている感じがしたのでお聞きすると革製品を作る職人さんでした。後々はお二人のブランドを立ち上げるのが目標だと仰っておられました。物は違えど手作りの分野では何か通づるものがあると感じました。
削る作業も初めてとは思えないほどにお上手でお二人とも同時に好みの波型の原型が出来ました。厚みも整えながらねじった様に削っていくのですが途中までしてねじった雰囲気が出てきた頃に彼氏さんが「ここから自由に削ってみてもいいですか?見本と全く同じじゃなくていいので。」「出たー!気の向くまま星人!」なんですか?気の向くまま星人って?とお聞きするとお仕事で革製品を作っている時も途中から気の向くままにアレンジしたりする事があるそうで、彼女さんの指輪にも彼流のアレンジを加えたいという事でした。「いいじゃないですか!万が一失敗してもワックスはご用意出来ますのでアレンジやって下さい。」
そんなわけでお二人流のアレンジの効いたフォルムで結婚指輪が完成しました。ヤスリを数種類使い分けながら最後は磨く為のヤスリで流れる様なシャープなラインを表現されていました。定番のねじった形とは一味も二味も違うお二人だけのオリジナルリングになりました。結局お上手なお二人は新しいワックスを使うことなく完成されていたところは流石でした。
この様にご自分の気の向くままに、手が動くままにご自分流のデザインを作っていくのも手作りの醍醐味です。作れる形はまさに幾億通りにもなります。たまたま出来た形やついてしまった削り跡などがいい味になる事もございますので型にはまらず気の向くままも良いかも知れませんね。
お二人の完成した指輪は弊社のオリジナルリングケースに入れてお送りするのですが、お二人も得意の皮でそれぞれのケースを作ってみたいと仰っていました。素敵ですね!
沢山の手作り工房の中から当工房をお選び下さってご制作いただき、誠にありがとうございました。指輪が出来上がってからマット加工などのオプション追加も可能ですので変化をつけたい時はご連絡下さいませ。末永くお幸せに!